こんにちは。
ソフトウェアエンジニアの@_horotterです。
RSSリーダの開発をしており、そもそもRSSってなんなのかということを改めて整理したいと思いこの記事を書き始めることにしました。
僕が開発したRSSリーダに興味がある方はぜひ以下のURLからアプリをダウンロードしてみてください。
RSSとは、1990年代後半に登場したWebコンテンツの更新情報を配信するためのフォーマットで、古くから存在している技術であり今では時代遅れなものだという意見もありますが、ソフトウェアエンジニアや技術に明るい人達にとっては依然として優れた情報収集のためのツールとして利用され続けています。
RSS自体はXMLベースのフォーマット、記述ルールであり、ウェブサイトの運営者はそのフォーマットに沿った情報を公開することによりユーザに最新の情報があることを通知することができ、このフォーマットの中には記事のタイトル、要約、公開日時などが含まれています。
一般的にユーザはRSSリーダと呼ばれるものを使用して自分が最新情報を購読したいWebサイトが公開しているRSSのURLを登録することにより複数のWebサイトの最新情報をまとめて受け取ることができます。
スマートフォンとSNSの登場により、RSSを利用するユーザは減ってきているとされています。
例えばTwitterやFacebook, Instagramでは自分がフォローしたいユーザをフォローし、そのユーザが投稿した最新のコンテンツをすぐに見ることができます。
この場合は人がWebサイトを購読するのではなく人が人を購読しているということになりますが、基本的な構図としては、インターネット上で自分が興味がある複数の情報をまとめて管理するという用途で言うと、SNSで誰かをフォローするのも、RSSでWebサイトの情報を受け取るのも、とても似たようなユースケースを満たしているように思えます。
Twitterがかつてミニブログ、マイクロブログと呼ばれていたように、現在ではすべての人が自分自身のメディアを1つ以上持っているという見方をすることもでき、自分に必要な情報はSNS上ですべて見ることができるようになったことから、RSSを利用する機会は以前と比べると減ってくるというのも当然の現象だと考えられます。
実際、ソフトウェアエンジニアである僕自身もTwitterでは多くの技術者をフォローしており、自分に必要な情報、ニュースはすべてTwitterで管理するようになっていました。
かつてはGoogleもRSSリーダを開発、提供していましたが、それも2013年で終了となりました。
https://gigazine.net/news/20130314-google-reader-retire/
日本の企業であるlivedoorもかつてはRSSリーダを運営していましたが、それも2014年でサービス終了しています。
https://gigazine.net/news/20141001-livedoor-reader/
このように、全体のトレンドとしてはRSSリーダを開発しても利用するユーザが減ってきているのでそれを運営し続けることが企業にとっても困難になっている状況ではありますが、今でも Feedly や Inoreader などの人気のRSSリーダは運営され続けており、一定のユーザ数を保ち続けています。
僕自身はRSSは今でこそ必要なものであると思っており、自分自身が今欲しいと思えるRSSリーダを開発しました。
参考記事
https://voicefeed.web.app/articles/rss-voice-feed/ja/
TwitterなどのSNSは情報収集のためのツールとして非常に便利である一方、ヘイトスピーチやフェイクニュース、過激な内容のコンテンツもこちらが意識しているかしていないかに関わらず、そのような多くのノイズを含みます。
TwitterもInstagramも主な収益源は広告によるものなので、自分がフォローしている人の投稿以外にもレコメンドされたコンテンツを優先的に表示するという方法で僕たちの注意を引くコンテンツを多く見せて、それによってなるべく長い時間アプリを見てほしいというビジネス的な構造があり、そのことが結果的に精神的にネガティブなインパクトを生み出してしまうという懸念点も各所で語られています。
そのため、短時間で効率的に情報収集をしたい人にとってはSNSよりもRSSのほうが優れたツールになり得るのではないかということは2024年現在でもいくつかのメディアで語られているところです。
https://www.lifehacker.jp/article/2402-the-best-rss-reader-apps-in-2024/
僕がRSSリーダを開発しようと思った動機も、SNSが既に情報収集のための最適なツールではなくなってきたという課題を解決するためのものでもあります。
みなさんが普段見るWebメディアがあるなら、実はそれらの大手のメディアの中には今でもRSSを配信しているところが多いということに気がつくと思います。
なぜ多くのWebメディアがいまだにRSSフィードを配信しているのかという点について考えると、結論としてはまだそれを利用しているユーザが一定数存在しているということだと思いますし、RSSを利用するユーザは今後も増えていくのではないかと思っています。
Wordpressなどでブログを管理している場合やブログサービスを使用してコンテンツを公開している場合はRSSの配信はとても簡単ですし、そもそもRSS自体がかなりシンプルなフォーマットなのでそのための設定も比較的容易にでき、今まで述べたことからも、RSSは特定のプラットフォームに縛られることのないオープンな仕様であるという点でユーザにとっても多くのメリットが有り、Webサイトの運営者にとってもRSSを配信しておいて損なことは無いと考えています。
Podcastは今ではインターネット上で配信されるラジオのような音声コンテンツ全般のことを指してそう呼ばれることもあるように思いますが、実はPodcastというものはMP3などの音声ファイルの場所をRSSのフォーマットに記述して配信されているもののことを指します。
そのため、AppleやSpotifyなどの特定のプラットフォームに縛られることなく、好きなPodcastプレイヤーを使用して音声コンテンツを聴くことができるという点ではRSSで文字コンテンツを読むのと同様に、非常にインターネット的でオープンなものとなっています。
プラットフォームが人気のコンテンツを独占的に配信することも行われていますが、個人的には、オープンな仕様であるというPodcastのもともとの利点を阻害しているという点ではユーザにとってメリットが有ることではないですし、そのような独占契約にはすこし懐疑的な意見を持っていたりします。
最後に、SNSを使用していたけどRSSに興味を持っている人、RSSリーダを昔は使用していたけど今は使用していないという人、そもそもRSSとは何なのか知らなかった人、興味がある方はぜひ僕が開発しているRSSリーダを一度使用してみていただけると嬉しいです。
このアプリは個人で開発、運営しており、皆様のフィードバックがとても励みになります。 ぜひよろしくお願いします。